10月14日~15日にジオパーク下仁田協議会のメンバー20名が日本で最初にジオパークになった糸魚川ジオパークと廃校をうまく利用して地域のコミュニケーションの場としても利用されている長野市立博物館分館の戸隠地質化石館の二か所を視察に行きました。
糸魚川ジオパークでは、ジオパーク推進室長の岩崎さんに案内をしてもらいました。
ヒスイ峡ジオサイトでは、大絶壁の渓谷のさらに奥にあるヒスイ峡へ行きました。
ここでは、地下深いところでできたヒスイがどのように地上にあらわれているのか丁寧に説明してくれました。
そして
「あの絶壁は5億年前の海の底でたまったもので、海ユリやサンゴが見つかっている」
と話してくれました。
岩崎さんは地質だけではなく、植物についてもこの渓谷にしか咲かない植物もあると教えてくれました。
次に高浪の池にいきました。
この池は地滑りでせき止められた池で、なんと4mの巨大な魚がいるという伝説があり、目撃情報も数多く寄せられているそうです。
推進室は2年前に発足したというのに、岩崎さんの説明は素晴らしく、専門家が尋ねても対応してくれました。
1日目の最後はフォッサマグナミュージアムに行きました。
そこで、糸魚川ジオパークの現状を聞きました。
糸魚川では2年前にジオパークをスタートしてから、まず、町の皆さんにジオについてしってもらおうという活動をやってきたそうです。その成果で糸魚川市の人々には「ジオパーク」という言葉が浸透しているそうです。
また、世界ジオパークになってからジオサイトへのお客さんは増えているもののなかなか町中にまで結びつかないのが難点だそうです。
それらを改善する糸魚川市のまちづくりを今後進めていくということでした。
2日目は長野市の戸隠にある地質化石館にいきました。こちらでは、学芸員の田辺さんが案内をしてくれました。
この博物館は小学校の跡地を利用しています。
廃校した小学校を懐かしんでいる人が、地元の小学校が大きく変わってしまわないようにという配慮をしているそうです。
展示室にも黒板がそのまま残っていたり、 背景を黒板調にしたり、学校のロッカーをそのまま展示に生かしたり、廊下には卒業制作で作った作品がずらっと並んでいたりしました。
展示テーマも ただ、岩石や化石を紹介するだけでなく、戸隠の大地の生い立ちとそこに棲んでいた動物たちを再現しつつ、さらに現在の多様な自然までを紹介する展示テーマになっています。
この博物館のモットーとして展示室・収蔵庫の区切りをなくしてしまって、収蔵庫もできるだけ近づいて見てもらうということをしているそうです。
また、博物館では、地元の宿泊施設とタイアップした合宿企画などもおこなっているそうです。
戸隠地質化石館は長野市の市街地から車で40分の山奥にあるにもかかわらず
年間1万人ものお客さんが訪れるそうです。
博物館の展示も大事だけど、館を案内する学芸員のトークスキルがかなり大きいようです。
田辺学芸員の話はとてもおもしろく、魅力的でした。
今回の視察では、参加者全員でジオパークがどういうものなのか、考えることができました。
また、糸魚川や戸隠の例を参考に下仁田のオリジナルなジオパークをめざしていくよいきっかけになったのではないでしょうか?