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下仁田町自然史館日記

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ジオサイト観察会「中小坂鉄山」

 12/18(土)ジオサイト現地観察会「中小坂鉄山」がおこなわれ、大人35人、子ども15人が参加しました。
今回の観察会では、はじめに町の歴史民俗資料館「ふるさとセンター」で鉄山研究会の原田さんに講師をしていただき、「産業遺産としての中小坂鉄山の価値」についての学習会をしました。 

 中小坂鉄山はわが国で最初に蒸気機関による送風を持って洋式の木炭高炉を創業していました。
ここの鉄鉱石は非常に純度が高いものもあり、良質な鉄鉱石がとれました。
ジオサイト観察会「中小坂鉄山」_d0183598_9452930.jpg



 また、鉄のとれた分布から考えてここの鉄鉱石は、ジュラ紀に堆積した海の地層の南蛇井層に貫入した平滑花崗岩との接触した作用なのか、南蛇井層は破砕された際にできたものなのか、成因は未だよくわかっていません。




 現地では、鉄山跡地を歩いて、坑道跡や露天掘り跡、鉱山から製錬所まで鉄鉱石を運んだトロッコ道、鉄鉱石を溶かした焙焼炉などを観察しました。

 露頭では、みんなで磁鉄鉱脈の入り方を観察して、磁石でくっつくかどうかを確認しました。

ジオサイト観察会「中小坂鉄山」_d0183598_9491446.jpg


今回の観察会では特別に坑道も入らせていただきました。
 子供達は初めての体験で、怖い反面、興味津津で坑道探検をしました。
ときには、こうもりやふくろうに出くわすこともあるそうです。


 最後にトロッコ道を歩いて、製錬所までの道をたどりました。
 道中にはシュートと呼ばれる場所があります。
 トロッコ道から直接磁鉄鉱を斜面にそって落として、崖の下で受け取るという運搬方法をりようしていたようです。その部分をシュートと呼んでいました。

 最後に製錬所跡地で、焙焼炉の跡を観察しました。




 中小坂鉄山は、下仁田の地質遺産の利用と人々の生活との関係をつなげるとてもよいジオサイトであり、地質的にも歴史的にも興味深い謎を秘めています。
また、今回の観察コースも様々なことが学べるので、ジオツアーには最適の場所になることでしょう。

 
by shimonitageo | 2010-12-21 10:27 | 自然史館行事