毎日暑い日が続きますね
自然史館の職員も毎日汗だくになりながら働いています
建物から一歩外に出れば、
日陰にいても、グリーンカーテンのそばでも、朝でも、夜でも…
どこにいても
暑い!
あついあついあついあついあついーー!!!!!
近頃は、避暑地と言われる軽井沢でも昼の気温は30度近くになるようです
もう、外に出たら涼しいところはどこにもないのか…
いいえ、そんなことはありません
涼しいところ、あります!!!
そう、荒船風穴です!
○荒船風穴とは?
荒船風穴は、明治38年、地元の養蚕農家の庭屋静太郎により建設された蚕種貯蔵施設です。
長野県を発祥とする天然の冷風を利用した風穴技術を研究し、日本で最大規模を誇る貯蔵施設として運営され、日本全国を相手に事業を展開しました。
現在でも操業当時と変わらぬ冷風環境が維持され、肌を通じて史跡を体感することが出来る珍しい史跡です。
(下仁田町ホームページから引用)
写真で、白く見えているのが、噴き出した冷風です
冷風と言ったって、どうせたいしたことないんでしょ?
と思うかもしれません
しかし、荒船風穴から吹き出す冷風の温度は夏でも2℃程度
周辺の気温も20℃前後となっています
こんな素晴らしい場所が下仁田にあっただなんて…
しかしなぜ、荒船風穴は夏でも冷風が出るのでしょうか?
自然史館では、風穴で冷風が吹き出す仕組みの実験を行いました
○実験してみよう!
水槽の中に風穴の地形を再現します
ここに色のついた水を落とすと…
色のついた水が斜面を下っているのがわかるでしょうか?
この斜面を下る流れこそ、風穴の冷風を生み出す流れです
では、どうして水は斜面を下っていくのでしょうか?
それは、実験で斜面を作っている板に仕掛けがあります
板をよく見ると保冷剤がついています
この保冷剤が斜面を下る流れを作るポイントです
斜面の近くの水は保冷剤によって冷やされます
冷やされた水は、周りの暖かい水よりも重たいので斜面を下へ降りていくのです
実験で風穴の冷風が吹き出す仕組みはわかりましたね
では実際の荒船風穴はどうなっているのでしょう?
○風穴周辺の地形はどうなっている?
荒船風穴がある場所は、山の斜面の中の地すべりで崩れた岩石の上です
崩れている岩石は溶岩が固まったもの
溶岩はかたくて丈夫なので、崩れている岩石は大きな岩塊になっています
つみあがった大きな岩塊の間には隙間がたくさんあります
この、岩塊の隙間や岩塊の下には、冬に降った雪や氷を長い間保存しています
冬の間にため込んだ氷が空気を冷やし、風穴の冷風を作っているのです
○荒船風穴はこんなにすごい!
夏でも冷風を生み出すためには、夏まで氷を保存していなければいけません
斜面が急すぎると、どんどん空気が流れるのですぐに氷がなくなってしまいます
しかし、緩やかすぎても、空気の流れができず、冷風が出ません
地形や地質、気候条件など様々な条件の絶妙なバランスのおかげで
日本で最大規模の荒船風穴ができているのです